時効という法律用語を聞いた事があるだろう。 岩波書店の”広辞苑”を引いてみると「一定の事実状態が長期間継続し、
今さら真実の法律関係を調査する事も困難であり、又、たとえ調査し得ても、
これに基づいて永続した状態を覆す事が不当だという場合に、真実の法律関
係の如何を問わず、永続した事実状態を尊重して、これをそのまま合法化す
る制度」とある。 つまり「権利の上に眠るものは、法律は、これを保護しない」という事だ。
何年も前の事を持ち出されて、平穏に暮らしている我々に波風を立ててもらっ
ては困るので、平穏な生活を法律が保護してくれるのだ。
時効となるに必要な期間は、特許権のような財産権で20年、個人間の金
の貸し借りは10年、家賃や税金の支払いは5年、飲み屋のツケやホテル・
旅館の宿泊料は、1年となっている。だから飲み屋のツケは、1年間経てば
支払わなくてよいのである。ノラリクラリとママからの催促に対応し、時間
の経過を待つだけだ。
この時注意してほしいのは、ツケがある事を決して認めない事だ。認めて
しまうと認めた日から1年経たないと時効は成立しなくなってしまう。
つまり、中断してしまうのだ。 弁解するのが面倒臭い人は、ママの知らない所に引越ししよう。
昔から言うではないか「逃げるが勝ち」だと。
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